イギリス人がやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!

ヤマハと契約したのですが、専門学校の講義も当時週2日あったので週3日のペースで渋谷に通うことになりました。
時々従業員だと思っている方がいらっしゃるようですが、契約上はずっと「しがない出入りの一業者」ですw

そしてアメリカ(YAMAHA Corporation of America=YCA)から、波形処理ツールの使い方を教えに外人さんの来る日が近づいて来た訳ですが、「いきなり会って能力不足だと失礼だから」ということで、たまたまそのツールの使い方を知っているという日本人を呼んで事前レクチャーを受けるということになりました…

そしてその方(日本人)とツールについていろいろ話をしてみると…
なんだ、自分のほうが詳しいじゃん!
挙句、こちらが詳しい設定とか説明したりと、どちらが教えに来たのかわからない有り様です\(^o^)/
自分なりにやりたいこと、やらなければならないことを整理して、それを実現するためにはツールのどのコマンドを使ってどう実行すればということを約10日間(3週)ほど自習しただけなんですけどねぇ。

そしていよいよその日がやって来ました。
平成2年(1990)の5月後半だったと思います。
来日したチャーリーさんというアメリカ在住のイギリス人は、なんと貴族(本物)です!
どうだ驚け!貴族と知り合いになるなんてことは、この日本じゃそうそう無いぞw
(でも昔はヒッピーやってってウッドストックにも行ったとか(^_^;)よくわからない人です(/・ω・)/)

チャーリーさんは元々Prophet5などで有名なSequencial Circuits(以降SCI)で働いていて、Drum Traksなどの開発、つまりサンプリングのエキスパートだったのです。

SCIは経営難になり1987年にヤマハが買収。
そして技術や人がヤマハや、当時ヤマハの関連会社になっていたコルグに引き継がれて行ったのは有名な話です。
つまりチャーリーさんは波形処理のノウハウをヤマハに導入するということでSCI→YCAに移籍したということです。

今でもそうですが英会話はさっぱりダメなので、担当の方を通訳にしばらくあれこれ質疑応答。
殆どは向こうから「あれは知っているのか」「これをやるためにはどうしたら良いか」という問いかけですが、ほとんどクリアしたものばかりだったのでホイホイやってみせるとなんだ、全部解ってんじゃん!(日本語訳)という有難いお言葉。

で最後に
ひとつだけSpecial techniqueを教えてやる。
サンプリングレートを落とすときはResampleではなく、Pitch Shiftを使え。

どういう事かというと、サンプルメモリーをケチるにはサンプリングレート(以降fs)を落とすことが当時としては当たり前でした。
ただし等価交換の法則標本化定理から高域特性が犠牲になります。
とはいえ音色によってはかなり使える技だったんですね。

サンプリングレートを落とすということはサンプルの時間間隔を任意の幅に変更するわけですから、当時は1次関数を使った2点補間や、ラグランジュ4点補間が一般的だったと思われます。

しかしピッチシフトを使うということは、フェーズボコーダ-(楽器に搭載されるチャンネルボコーダ-に非ず)あるいはPSOLAが噛んでいるかも知れないってことです。

例えば fs=44.1kHz / C3 の音をピッチシフトで1オクターブ上げると fs=44.1kHz / C4 の音になるわけですが、このファイルのヘッダー情報fsを22.05kHzに書き換えれば読み出し速度が半分になるので fs=22.05kHz / C3 の音になり、これはリサンプルで22.05kHzにした音(補間処理)とは違うぞよ、ということです。

もっとも今はハイレゾの時代ですし、リサンプル自体やらないのでこれも過去の話になってしまいました。

そう、この時代はメモリーを如何に節約するかということが非常に重要で、そのために常にメモリーとクオリティの等価交換をやっていたのです。
まさに錬金術w(・∀・)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)