「郭公と時鳥」遠野物語より

活動やSNSをしばらくお休みさせていただいており・・・こちらのブログも久しぶりの投稿となりました。

GWはいかがお過ごしでしたでしょうか?私は本日もたまたまスタジオが空いていたのでちょっと音出しに出かけてきました。

昨日はちょっと森の中にいたのですが、とっても近くで鳥が鳴いてびっくり。鳴き声の主はきっと時鳥(ホトトギス)。「遠野物語」を思い出しました。「包丁かけた・・・包丁かけた・・・」と鳴いているだろうか?と。

「遠野物語53」

『郭公と時鳥とは昔有りし姉妹なり。郭公は姉なるがある時芋を掘りて焼き、そのまはりの堅き所を自ら食ひ、中の軟かなる所を妹に与へたりしを、妹は姉の食ふ分は一層旨かるべしと想ひて、包丁にて其姉を殺せしに、忽ちに鳥となり、ガンコ、ガンコと啼きて飛び去りぬ。ガンコは方言にて堅い所と云ふことなり。妹さてはよき所をのみおまれに呉れしなりけりと思ひ、悔恨に堪へず、やがて又これも鳥になりて包丁かけたと啼きたりと云ふ。』

カッコウ
ホトトギス

悲しく辛い時代背景があっての残酷な話なのですが・・・お姉さんは妹ちゃんにお芋の美味しいところをあげたのですが妹ちゃんは、きっとお姉さんは堅いで美味しくない(うまぐない)ところをよこしたに違いないと恨んで包丁で刺してしまいます。その後お姉さんはたちまち郭公

(カッコウ)となり、妹は時鳥(ホトトギス)になってしまうのです。方言で堅いは「がんこ」、刺した「かけた」。お姉さん郭公は「ガンコ〜ガンコ〜」、妹時鳥は「包丁かけた〜包丁かけた〜」と鳴く、というお話。

 

残念ながら「お姉さん郭公」の鳴き声は聞こえませんでしたが「妹ちゃん時鳥」はずっと鳴いておりました。

https://youtu.be/2ikYvmxrRps

ちょっとだけアップです。御伽語りもちょースローペースですが少しずつやっていこうと思います。

投稿者: Yuka Funakoshi

船越 由佳。 1998年 シンガーソングライターとしてパイオニアLDCよりデビュー。 1999年 2ndアルバムリリース 2000年 ソニーより3rdアルバムをリリース。 2003年 コロムビアよりリリースされたコンピレーションアルバムに参加。2004年 劇伴音楽制作の依頼を受け定期的に公演 2006年 岩手県遠野市の依頼により「遠野市民歌」を制作。 2007年 iTunesで「Morning Bird」を配信。そのヒットから海外デビューに           向け始動。 2009年 バンド「Yuka & Chronoship」結成。 2011年 フランス MUSEAレコードより世界デビュー。 2013年 Yuka & Chronoshipの2ndアルバムリリース。マルセイユでの音楽Fesに出演。 2014年 フランスの西海岸で開催される音楽Fesに出演。 2015年 イタリアのヴェルーノでの音楽Fes に出演。 2017年 3rdアルバムリリース。待望のイギリスデビューとなる。 2018年 キングレコードより4th Albumとなる「SHIP」リリース。日本でデビューアルバムとなる。伝承の物語を題材とした「由佳・御伽語り」の活動をスタート。 現在 Yuka & Chronoshipの5thアルバム制作中。ふるさと岩手・遠野の宮沢賢治や遠野物語の世界の音楽を中心にインスト曲の制作も進めている